心身会は、脳神経外科・内科・循環器内科・老年内科・老年精神科の医療機関、デイケア、デイサービス、認知症高齢者グループホーム、介護老人保健施設などをもつ医療法人です。現在、東京・調布市を中心に、地域に根差した医療と、高齢者およびその家族を支援する医療と看護、介護に取り組んでいます。
縁あって、調布市に大枝医院が開業した昭和63(1988)年当時、時代はすでに高齢社会に突入していました。核家族化のために一人暮らしのお年寄りも多く、閉じこもりがちな方も増えつつありました。日々の診療の中で高齢者の心身のリハビリテーションの必要性から、日常生活におけるリハビリテーションの場とシステム、そしてスタッフを提供しようと、平成8(1996)年に心身会シルバーデイケア(老人デイケア)を医院に併設しました。リハビリテーションを兼ねたレクリエーションはもちろんのこと、地域のお年寄りたちがデイケアを媒体として交流すること自体が高齢者の生活を活性化していきます。
ここから確信的に生まれてきたのが、認知症高齢者が共同で生活するグループホーム開設の計画でした。現在では医学的にもグループホームの有効性は実証されつつありますが、当時はまだ認知度も低く、開設場所を探すのも困難を窮めました。高齢者が安心して暮らせるのは、やはり長年慣れ親しんできた地域です。平成12(2000)年にグループホーム「さくらさくら」(注:調布市からの運営委託事業)が調布市のご尽力を得て大枝医院のある調布市布田にオープンしました(注:その後、調布市から心身会に全面的に業務を移管)。
同時期にオープンした介護老人保健施設「いなほ」は、病院と家庭をつなぐ中間施設ですが、この施設も利用者や地域の声を反映して誕生しました。さらに、平成14(2002)年に大田区にグループホーム「やよい」(注:大田区からの運営委託事業)が、平成15(2003)年に狛江市にデイサービスセンターとグループホーム(注:一部、狛江市からの補助事業)を併設した複合介護施設「和楽」が、平成20(2008)年に大枝医院の近接地に、ケアセンター(小規模多機能型居宅介護)とグループホームを併設した複合介護施設「愉楽」がオープンしました。平成24(2012)年4月より地域のニーズに合わせ、介護サービスの種類をケアセンター(小規模多機能型居宅介護)からデイサービスセンター(通所介護)に変更しました。
平成26(2014)年に調布駅前に調布脳神経外科がオープンいたしました。CTスキャン等の医療機器を備え、認知症高齢者の診断・治療により迅速に対応できるようになりました。また年齢を問わず頭痛に対する診断・治療も専門的に行っています。
高齢者の生活を考える時、医療と看護、介護は決して切り離すことはできません。心身会のスタッフは法人内の様々な施設の仕事を経験し、他の施設との連携の中で専門分野を極めます。医療をバックボーンとした適切な心の通う看護、介護は、これまで現場で培ってきたノウハウを持つ心身会のスタッフだからこそ可能なのだと自負しています。
年をとるということは誰にも必ず起こる現象です。私たち心身会のスタッフは高齢化を自らのこととして捉え、利用者や家族の方々のご意見やご要望を取り入れながら、これからもこの高齢社会に立ち向かっていきたいと思います。人と人のふれあいの中で、あるがままに、私たちすべての者が必要とするシステムを築き上げていく姿勢が貫ければ、こんなに素晴らしいことはないでしょう。
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